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スギ・ヒノキの工作キットについて

TUKTUK子ども工作館では、スギ、ヒノキを利用した工作キットを取り扱っています。

昨今、エコを意識したイベントを企画されることも多く、杉・ヒノキを使うことが、どう環境に良いのか?と質問されることも多いため、スギ・ヒノキの歴史や、特徴なども一緒に、ここにまとめさせていただきます。
(林野庁の資料を参考にさせていただきました。)

 

1.杉・ヒノキを使うことがなぜ環境にやさしいのか?

まずは、日本にスギやヒノキが植林されたお話から。
明治維新頃、近代化が進むにつれて木材の乱伐がすすみ、明治時代後半には日本史上最大と言われる森林荒廃の時代が訪れました。その後、第二次世界大戦における軍需利用で荒廃した山林を復旧するため、また戦後の急激な経済成長に伴い増大した木材需要に対応するため、国家政策として、成長が早く建材に適している針葉樹、スギ・ヒノキが植林されることが推奨されました。
スギの植林には補助金が出たため、農地をスギ林に変える人も多く、全国で大規模な造林が行われることとなりました。現在では日本の森林面積の約3割はスギ・ヒノキの人工林(人工林の約7割)が占めています。

しかし木材以外の材料の普及・安い外材の輸入などで国産材の需要は減ったことや、林業従事者の高齢化などの理由から、手入れをされない多くの人工林が放置されることに。

手入れされない人工林の山は弱ります。根がはらないことで山に水を蓄えられず、川へ流れていく水の流量が安定しないため土砂災害が起こりやすくなったり、水不足の原因となります。また枯れた木が川に流され、滞ることで鉄砲水を引き起こすこともあります。
そのほか、 二酸化炭素吸収の面から見ると、健全に成長中の木は光合成により二酸化炭素を吸収し、固定しますが、手入れせず枯れたり成長しなくなったスギは、CO2をあまり吸ってくれない、それどころかむしろ呼吸により排出する二酸化炭素の方が多くなるというデータもあります。花粉症の面からも、手入れをされない杉は、手入れをされている杉に比べ、多くの花粉を飛ばすという説もあります。とにかく、放置されたスギ・ヒノキの人工林は、今となっては良いとこなしです。

 

そこで、スギやヒノキを積極的に使おう!という動きが日本国内でも活発になってきています。トゥクトゥクで取り扱っている工作キットもそのうちのひとつです。より皆さんに杉やヒノキをつかっていただいたり、興味をもってもらう機会を増やすため、スギ・ヒノキの工作材料を取り扱っています。スギ・ヒノキ伐採後の山林は、一部は広葉樹が植えられたり、自然林に戻されたり、また管理されたスギ林となったりと様々ですが、日本の林業を活発にさせることは、森林をよみがえらせるきっかけになります。

スギは日本人の肌の色にもっとも近く、ふれていると体温と同じあたたかさにじんわり温まっていく素材で、住宅の内装にはもっとも良いとも言われます。また、木の香りの中のフイトンチッドという成分は、ストレスの多い現代人にとってもリラックスさせてくれ気分が良くなる効果があることが研究でわかっています。

スギ・ヒノキにかかわらず、人工林をそのまま放置させずに手入れをすることが大切なのです。

ただ、工作をするだけではなく、こういった話を簡単に工作の中に取り入れていただければ、参加者の皆さんにも、なぜスギやヒノキを使うことが環境に良いのか、わかっていただけるのではないかと思います。

 

2.トゥクトゥクの工作キットの中のスギ・ヒノキ 

スギ: 杉のかなば(高知県 馬路村の間伐材)、木のバッジ手作り工作キット(京都府 北山杉 垂木の材 詳細は下の説明をご参照ください)、杉のポストカード

ヒノキ:ヒノキのポストカード

ちなみに広葉樹の工作キットは、広葉樹ミックス(大)(中)(小)、および木端細工キット。
こちらはおもに建材等で使う木材の枝、端材で作られています。

杉の工作キット          ヒノキの工作キット

3.スギのバッジの割れについて

トゥクトゥクでスギのバッジで使っているのは、おもに、”垂木(たるき)”として使われるスギです。(枝うちした枝のこともあります)
垂木とは、木造建築の、屋根の下のベースにするような細い材のことですが、木造建築が減っている昨今、需要も減っています。

湿気に敏感で、伐採したあとは、はじけて割れてしまうことが多いので、垂木として加工する前には、切り込みを人工的に入れて使うのだそうです。床柱などで、太い杉に、切れ込みが入っているのを見たことがないでしょうか?あんな感じです。

そういう材質ですので、バッジとして使うために輪切りにした後も、どうしても割れが生じてしまいます。湿度を一定にさせて、なるべく割れが生じないようにしていますが、どうぞご容赦ください。

 

4.自然の特徴:節、茶色いしみ、年輪

木の節とは、枝が幹の中に取り込まれてしまった部分のことを言います。
スギのバッジに出ている茶色いシミについては、杉の本来の色なんだそうです。スギはもともと赤い木で、育つに従ってその赤い部分が薄くなってくのだそうで、根元のあたりは赤い部分が多く残っているんだそうです。それが、シミのように茶色く見えるのです。いずれも、 自然のものゆえで、やむを得ません。

林業の方に尋ねてみると、経験上、茶色い部分が多くでる種類と出ない種類があるようなのですが、輪切りにしてみないとわからないということで、茶色い部分を使わない部分としてしまうと、大変多くの無駄がでてしまいます。まっ白のものだけを数多くそろえることはできないことを、どうぞご理解ください。

全面に茶色いしみが大きく入るものについては、今まで通り、難ありバッジとして販売いたしますが、杉のバッジとして販売しているものについても、多かれ少なかれ、茶色いシミははいります。
スギやヒノキは年輪が大変美しく出ており、数えていただくと、その木の年齢がわかります。トゥクトゥクでバッジとして使っている北山杉はギュッと詰まった美しい年輪が特徴です。同じスギでも各地で育て方が違い、年輪の出方なども違うようです。
ただ、単に、絵を描く台として探されているのでしたら、他にいくらでもバッジに適した材料はあると思います。美しい年輪や色、スギの割れも節もしみも、自然のものゆえ、です。イベントにおいては、このような事情も一緒に説明していただければ、わざわざ杉を使う意味があるのではないかと思います。

割れがあるとだめ、真白でないとだめ、という方は、スギを使われることはお控えください。広葉樹もございますのでそちらをおすすめします。(広葉樹でも多少割れはあります)

 

スギ・ヒノキや人工林について、もっと詳しい情報が知りたい方は、こちらからどうぞ。

林野庁ホームページ http://www.rinya.maff.go.jp/

(財)日本木材総合情報センター http://www.jawic.or.jp/